効果的ではない学習方法①

こんにちは、講師のたかえもんです。

今年2月に出版された『科学的根拠に基づく最高の勉強法』は、効果的な勉強法がまとまったおススメの1冊です。

今回はこの本に書かれた内容をもとにして、「教科書などを再読する」という学習方法が効果的ではないことをお伝えします

コロラド大学で次のような実験が行われました。

①大学生を2つのグループに分ける。

 ・Aグループ:1500~1700語の文章を1度だけ読むグループ

 ・Bグループ:Aグループが読んだのと同じ文章を2回読むグループ

②それぞれのグループに文章を読み終えた2日後に2種類のテストを実施する

 ・読んだ文章をできるだけ思い出すテスト

 ・読んだ文章の内容についての短い質問形式のテスト

③ 2種類のテスト結果は、Aグループと Bグループで大きな違いはなかった。

また以下のような別の実験もあります。

①大学生を2つのグループに分ける。

 ・aグループ:教科書や科学雑誌などさまざまな話題の文章を1度だけ読むグループ

 ・bグループ:aグループが読んだのと同じ文章を2回読むグループ

②それぞれのグループに文章を読み終えた直後と、1日後に2種類のテストを実施する

 ・読んだ文章の内容について正しいものを選ぶ選択問題のテスト

 ・読んだ文章の内容についての選択肢なしで答えるテスト

③文章を読み終えた直後と2日後のテスト結果は、両方とも2つのグループの間に大きな違いはなかった。

これら2つの実験により、続けて2回読んでもあまり違いがないということがわかりました。

同じ文章を2回目に読むと、1回目よりも慣れてすらすら読めるようになります。そのためより深く内容を理解した気になります。ですが実際に理解度が向上したわけではありません。

このように、表面的な情報処理能力が向上したことで理解度も向上したような気になることを「流暢(りゅうちょう)性の錯覚  the fluency illusion」と言います。

授業で先生の話を聞いて理解できた気になったり、単語をながめて覚えた気になるなどがこのを「流暢(りゅうちょう)性の錯覚」にあたります。

効果的な勉強は脳に負荷を与える勉強です。適度な負荷をかけない勉強は、できた気になるだけのものが多いです。

今回は、教科書などを間隔を空けずに再読するという方法が効果的ではないことをお伝えしました。

次回は、「ノートに教科書や参考書の文章を写したりまとめたりすること」が効果的ではないということをお伝えします。